同一地域内一貫地場産業

そうかレザータウン構想

草加の皮革産業は東京に近いという地の利と豊富な水源を活かし、昭和10年から14年にかけて東京の三河島方面から続々と皮革工場が進出してきたのが始まりでした。当時の皮革工場はいずれも軍需工場であり、草加の初期の皮革産業は軍需産業として伸びてきた歴史があります。戦時下においては統制品であった原材料の原皮も昭和25年の統制解除により原皮の輸入が増加し、草加を中心とした皮革産業は戦前の軍需産業から脱皮して多種多様な皮革素材を生み出しながら発展してきました。
 現在の草加の皮革産業は3つの団体(埼玉県皮革産業協議会・埼玉皮革関連事業協同組合・埼玉県部落開放企業連合会草加支部)によってまとめられており、その特色は、牛・子牛・豚・羊・山羊・爬虫類・サメなど多種多様な素材を扱っている業者が集まっている事です。これは、全国的にみても極めてまれで、多品種の皮革を生産しています。さらに、その素材を加工する工場や職人さんが多数おり、靴・バッグ・衣料その他、最終製品までがこの地域で生産され、大消費地東京に向かって出荷されています。このように草加の皮革産業は素材から製品加工までが同一地域内で一貫してできる地場産業なのです。
 平成13年10月より地場産業の皮革3団体が集まり個別の活動から協同して地域の皮革産業の活性化を図っていかねばならない時代になってきたという認識の基に、3団体が中心となりながら草加および近隣の皮革産業に携わる人たちを含めたネットワーク化を行い、新たに「そうか革職人会」を立ち上げることになりました。そして国と草加市の地域振興活性化事業の支援を受け、平成14年8月28日に設立総会を行い、市内皮革関連業者約180社の3割の業者・職人の加盟登録にて発足しました。
​そうかの子どもたちに”そうかの革”を伝えていきたい

めざせアジアのフィレンツェ

革職人会として出前講座などで革に触れてもらうことで、子どもたちに革の良さや特性を教えていくということと、将来的に革を扱う職業やデザイナーなどになった場合に革素材の魅力を知って生かしてほしいということ、あとは天然素材なので、例えば建築業界に行った人には建築部門で実際に応用してもらうとか、あるいは(今までにない靴やバッグのような革製品としての利用以外での)新しい革の使い方を開発・応用して、魅力を見出してもらいたい…そういうことを、草加出身の子どもたちに期待したい。
同じく革の街として知られている姫路あたりだと、教育委員会が子どもたちに向けて発信しているようだがなかなか教育現場では活用が難しいとされている。我々は第一歩として子どもたちに草加は革の街で、革にはこんな魅力があって利用価値があるよと知ってもらいたい、それを将来的に生かしてもらいたい。